まだ緑のイチョウの木の下で,悪臭が漂っています。
ギンナンの果実が今年はたくさん採れました。においがきつくて果肉をとるのは大変ですが,中の実はきれいな翡翠色で食べるとおいしいです。
県民の森で販売もしています。
秋の七草のひとつ「フジバカマ」(藤袴)が開花間近です。薬草として、また昔は芳香剤や防虫剤などに用いられたことを知り,紫式部も使ったと考えられる,香り袋を作っています。桜餅のような優しい香りがします。
マンサクは春浅い時期に真っ先に咲くマンサク科の樹木です。
マンサクやサクラなどは,夏場には既に花芽が形成されており,来春までは植物ホルモンによってしっかりした冬芽の形で成長が停止したまま休眠状態に入ります。ところが,花芽が形成された後に,台風などで強制的に落葉があり,その後高い気温が続くと休眠状態をたどらずに開花する現象が狂い咲きです。
今回のマンサクは写真のとおり葉は付いたままですが,植物は,今年の夏のように異常高温などのストレスを受けると,早く花を咲かせて,種子をつくろうとする状況がしばしば見られますので,マンサクも同じ理由だと考えられます。
ところで,マンサクの名の由来ですが,東北の人の春待つ気持ちが聞こえてきそうな「まんず咲く」や花が枝一杯に咲くところから「万作(満作)」です。
時はまさに実りの秋,豊年だそれ満作だ...お後がよろしいようで
ヤマボウシは初夏に先の尖った4枚の花びら状の白い総苞片(そうほうへん)が美しくて凛としたさわやかを持った日本原産の樹木です。
ヤマボウシの名は総包片の真ん中にある小さな花の集まりである頭状花序を坊主頭,白い総苞片を白頭巾に見立てて山法師が由来となっています。
果実は頭状花序がくっついて球状になったものです。
ヤマボウシの名は何だか古風な感じがして,悪くはないですが,それに引替え近縁種であるハナミズキ(アメリカヤマボウシ)は一青窈(ひととよう)さんの歌も手伝って,なんとも素敵に聞こえます。総苞片の色がピンクであると同時に花期に殆ど葉がみられないことも人気がある原因です。アメリカに贈呈された桜の返礼に送られた樹木としても有名です。
県民の森のイベントである「春及び秋の野の花を使った生け花教室」の先生もヤマボウシは素敵だと言って頂いており,この熟した果実は美味しく,秋には紅葉も楽しめます。